ピッキング被害

地方にも拡大傾向
駅周辺、新幹線沿いも狙われる

ピッキングの被害がますます深刻な状況となっている。
一昨年は6111件だったのが、今年は8月末で8387件、今や1万件を越す勢いで東京都心から千葉、神奈川、埼玉県へとドーナツ化状況で被害が地方に広がっている。
犯人と見られる中国人窃盗団の特徴としては小人数のグループで、犯行時に車を使わない。一人一人が電車を使って犯行場所に集合し、逃走時も電車を使うという。
当然狙われる場所は、駅周辺が多く、新幹線沿いに被害地域が広がっている。
  全国津々浦々、普及しているピッキングで破られる可能性のある錠前は約1億万個、取り急ぎ交換するとなると、約7000万個の交換用錠前が必要という。
都内だけでも一戸建てや共同住宅、マンションの玄関、勝手口などに設置され、交換が必要とされるものは約3000万個である。
錠前トップメーカーの美和ロックでも3交代制、フル回転で工場の生産ラインを動かしているが、年間生産数は約50万個、そのうち、30万個は新築建物に使われ、交換用は20万個が精一杯という。ほかのメーカーの生産数は美和ロックの数十分の1ということから業界上げて生産しても少なくとも3年、4年、それ以上がかかるとのことである。

9月5日、全防連(財全国防犯協会連合会)はCP―C錠型式認定制度をスタートさせ、シリンダー部分の交換でピッキング防御が可能となる製品の推奨、普及をはじめた。しかし、ドアの形や厚さ、材質、鍵の種類などによっては、シリンダー交換で対応できるものとできないものが生じる。

眼の先の対策としては

補助錠をつける、などが考えられるが、大きな音で犯罪者を威嚇、撃退する機器が開発された。 株式会社岩田エレクトリック(東京都千代田区神田須田町2-19-23、電話03・3253・5366)が12月中旬より発売予定の「ピッキングアラームー11」は、内蔵の特殊センサーと電子回路がピッキング行為を検知すると、最初は小さな注意音、次に105dBの大音量を発し、 周りに知らせる。(定価1万円,小売価格は8000円)
犯罪とセキュリティ機器はいたちごっこといわれる。ピッキング防御の錠前が普及した後に、どんな犯罪が日本を襲ってくるのだろうか。警察、セキュリティ機器メーカーの担当者お二人の答えは、同じであった。破壊による侵入、ドアを叩き破り,外開きのドアが多い日本の建物の出入口はちょうつがいも外についているし,ドアと建物の間に隙間がある。そこに金具を差し込んでこじ開ければ簡単にドアは開くという。ドアそのものもデザインには凝っても,強度に配慮したものは少ない。犯罪が先行していき,防御できる機器や器具の製造が間に合わないという、ピッキング犯罪の苦い教訓を繰り返さない為にも、建築設計やドア関連業界は危機感を持ってセキュリティ対応を急ぐ必要があるといえるだろう。

(11月10日号より)

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