ロック特集7

 昨年4月に「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」で「防犯性能の高い建物部品目録」が公表され、錠前も目録に搭載された。扉の防犯力アップには、「防犯建物部品」の錠前を使用することが、ひとつの流れになりつつある。そこで、普及の現状について、全国防犯協会連合会専務理事の松原  洋氏にお話をお聞きした。

――実際のところ、防犯建物部品の普及が進んでいない現状に、各業界団体、メーカーなどから、警察等行政のバックアップを望むという声がでていますが。
「こういう問題は、行政がやれば、すべてできるというものではないのです。自分たちも社会全体の安全のために努力しようということが必要です。それぞれが努力を積み重ねていくことで、初めて普及がなされていくと思います」

――防犯普及活動をする協会の立場からは、どういった方法で一般の人への認知活動を行っていますか。
「防犯建物部品目録を一般国民に公表するためのホームページの運営や、啓発資料を作成し、その中で制度を紹介して、その活用を勧めるという形をとっています。具体的に申し上げますと、10月に行われた『全国地域安全運動』で防犯建物部品を紹介したリーフレットを50万部配布。また、日本宝くじ協会の助成による『防犯テキスト』7万6000部を無償配布しました。他にも自転車振興会から補助を受けている『シルバーパワーを社会に生かす』とか『地域安全活動の手引き』といった防犯読本や、毎月発行している『安心な町に』という広報誌でも紹介し、一般の人に、防犯建物部品を知ってもらおうと普及活動を続けています。去年からは、日本財団の助成を受け、『防犯ボランティア活性化事業』を始めました。研修中、ボランティアリーダーなどに防犯建物部品の錠前などを紹介し、理解を深めてもらおうと、今年も9月から11月にかけて実施する計画です。」

――価格が高いことが普及に歯止めをかけているといわれていますが。
「錠前を取り換えるということだけでは、それほど多くの負担感はないかもしれませんが、それに合わせてドアも取り換える、ガラスも取り換えるということになると、気持ちの上で負担が大きくなると思えます。さらに、防犯リフォームをしようと思った場合に、近場に相談できる人がいないのもネックです。警察署も相談にはのりますが、身近なところで提案なりアドバイスしてくれるようなシステム、例えば、ロックメーカーの代理店、支店、施工業者の人が相談にのるシステムを作り、防犯建物部品についての周知活動に取り組み、かつ、自己PRもしてもらいたい」

 ――防犯設備士による錠前のアドバイスができるような体制づくりが進められているといいますが。
 「防犯設備士も錠前についての知識は持っています。防犯設備士の試験にも錠前の基礎知識を取り入れて試験をしているようですので、こういう問題については応じられる。ただ、防犯設備士といっても、町のどこに防犯設備士の資格を持った人がいるかといっても分からないですよね。その存在を知ってもらうための工夫が必要だろうし、その体制も充実していくことが望ましいと思います」

(2005年6月10日号)


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