風の軌跡(199)

熟年結婚の理由

 この頃、寄稿の依頼が重なっている。
 『どんな条件で、新聞に掲載してもらえますか』
 内容が面白いことが必要だが、弊紙の購読者であることも条件の一つ。防犯・防災からホームランドセキュリティまで幅広い。
 情報セキュリティの分野が少ないと考えていたら、(財)防衛調達基盤整備協会(BSK)で、情報セキュリティに関する懸賞論文の募集を始めた。(一面参照)
 初めての試みで、どんな論文が集まるか、楽しみにしているが、私個人的には、防衛関連の協会が情報セキュリティに力を入れているのが興味深く、まさに情報セキュリティこそ防衛の要、と言えるのだろうとも思う。

   日防設の懇親会で久しぶりに会員企業や旧知の方々にお会いした。懐かしくてついつい長話になる。協会も2年ぶりに会長が代わり新体制下での取り組みが始まったが、全ての懸案が最初の計画通り、スムーズに行くとは限らないようだ。多様な企業の集まりで、様々な意見をまとめて行くのは大変なことなのだろう。
 協会の役員を紹介する連載を始めて、これまで挨拶程度の委員の方々にも親しく話を伺う機会ができるようになった。回を重ねるたびに、すごい専門家の集まりなのだと、改めて感服している。

「自由に好きな仕事をしてきて、結婚とはかけ離れた、どちらかといえば破滅的な生き方をする人を好きになったりして、キリギリス的な生き方をしてきたけれど、そういう生活を打ち切って近いうちに熟年結婚をしようかなあ、と思って。老後のことを思うと、今のままでは生活できない、と気づいた」
「それはすばらしい。老後は人と言う字のごとく二人で助け合わなくては。相手はどんな人?」
「とても地味な人で、好きというより生活のため。どちらかというと「物」という感覚」
 相手の男性はどっしりして少しのことでは動じない、彼女が逃げ込める家のような存在になってくれるのだろう。
 可愛くて傲慢なキリギリスも、やっと自分の家で冬を過ごせるわけだ、と考えていたら、「結婚をする理由はもう一つ」と口をすぼめた。高齢の母親が独身の彼女に求めてくる介護やケアの要求度の大きさ。呑み込まれて仕事も老後の生活設計などすべてをなくしそう。時には断わる口実にご主人が必要なのだと言う。彼女を潰す母親からの避難場所?
三林和美

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