風の軌跡(183)

世界に誇れる乗り物

 10月、やっと秋らしくなった。とはいえ、神田界隈の街路樹のイチョウの木は、未だ深い緑色の葉っぱが鬱蒼とついたままである。14、5年前、はじめてこの近辺の会社に勤め始めた頃は、9月末から葉は、色づき始めて10月には落葉で、道路は山吹色に染まった。今年の紅葉は師走にかかる、と聞いたが、温暖化はそのピッチを年毎に早めて進んでいるのかもしれない。

   防災などのシミュレーションを専門とするシンクタンク系の会社の社長さんが、ビルの中でのCO2減少およびコスト削減、防災対策などを、防犯機器を使ってシステム構築を試みる研究を、環境省の支援を受けて取り組み始めた。
 新しいもの大好き人間の私は興味津々、どんな技術開発や提案が出るのか待ち遠しい限りだが、偉い先生方が集まっていろんな手法を構築すると、たまにあまりに複雑すぎて、ついていけないことがある。シンプル・イズ・ベストといいたいところだが、複雑系でもいい、防犯機器の可能性が拡大するならば面白いということだろう。

   神保町の町内会でご一緒する某ビルのオーナーが来社、「増改築をする間の防犯対策について、何かよい方法はないか」と問い合わせに来たという。ひとまず業界の団体を紹介した、と聞いた。時々、このような問い合わせを受けるが、一つのビルの安全対策を誰に頼んだらいいのか、つい迷ってしまう。1企業に話を持っていけば、その企業のみの機器やシステムで対応することになるのだろうと想像する。価格も含めて、お客の立場に立って相談にのってくれる人が見当たらない。

   弊紙バックナンバーの2002年から2006年分の縮刷DVDが出来上がった。ピッキングやカム送りなどの住宅侵入盗の急増が大きな社会問題だった02年から5年間を見渡せば、学校のセキュリティ、子どもの安全対策、空港や港湾、重要施設のセキュリティ、爆発物検知や指紋や虹彩、顔などのバイオメトリクス情報まで、犯罪や災害の変容に対応した記事満載である。様々な官の政策、企業の取り組みなど、弊紙に掲載したそのままの形で見ることができる。廉価でお分けしますので、興味のある方は当社までご連絡下さい。
 三連休の最初の日、新幹線ホームは人であふれ、車内では不審物の警戒にスタッフが行ったり来たり目を光らせていた。開業以来、一度も事故がない。日本が世界に誇れる乗り物だ、と思った。

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