風の軌跡(118)

年賀の懇親会

20日、毎年恒例の日本防犯設備協会・年初祝賀会に出席した。広い会場いっぱい人人、年々盛況になっていく。時代の風を受けて協会の活動も責任も大きくなっている表れだろう。顔見知りの方々と話しているうちにあっという間に時間が過ぎ、終わってから、「Aさんは?」「B専務はいらしてた?」と社員に尋ねて悔しがる。大勢の中から目指す人物を見つける、識別するというのは人間の目では容易なことではない。とりわけ私のようにぼんやり眺める人間には。

空港やスポーツ競技場などで顔認識技術による特定の犯罪者等の個人識別が実施されつつある。

技術が完成し、低価格小サイズになれば、眼鏡やコンタクトに搭載して、セキュリティ以外の利用も増えるのかもしれない。

お目当ての人を登録してピピッと居場所を示す。

最も、探される人は迷惑かもしれないが。


少し前のパーティだったが、7、8年ぶりにお会いした某社長。

「お久しぶりです」とご挨拶をすると、「あー、あの転んだ人・・・ね」と微笑んだ。「はい」

それは今でも思い出すと赤面する大失態だった。その社長のインタビューを終えた後、カメラをのぞきながら、椅子に座られた社長の周りを右に、左にと動いていた。「もう1枚お願いします」と急に横に動いた時、目の前のガラステーブルの端に足を取られ、将棋倒しの駒のように見事に転んだのだった。瞬間、頭の中は真っ白。

「大丈夫ですか」

社長の心配そうな声で我にかえり「すみません」と立ち上がってカメラを拾った。相手の社長のほうも、目の前でスッテンコロンと転ぶ私のような例は少なく、よほど印象に残っていらしたのだろう。


失敗例でいえば、もう一つ忘れられない例がある。某関連団体の理事長インタビューで校正した原稿を理事長の前で赤字確認をしていた。原稿をめくる私の指が乾燥してうまく捲れない。こういう経験は始めてなので、内心慌てた。仕方なく指を舌でぺロッとなめた。瞬間、私は斜め前に座られた理事長の顔を盗み見た。理事長は気づかないようにすましていらした。ほっとしながらも、仕方なく何回か指をなめた。

終了後、そのビルを出るや否や、同席してじーと私の行動を見ていた社員が呆れたように言った。

「指に唾をつけるなんて理事長に失礼ですよ」

「万事休すだったのよ。私が指をなめる時、理事長は気づかない振りをしてくれていたわ」


懐かしい人々にお目にかかり、様々な恥やミスを思い出しながら会場を後にした。有り難いことに当社の社員には、私ほどのドジはいないようだ。

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