風の軌跡(113)

セキュリティ教育を是非

新潟中越地震被災地の状況をテレビで見ていると、改めて自然の破壊力の凄まじさを思い知らされる。

山の豊かな懐に抱かれて高価な鯉や闘牛を育て、村独自の生活文化を育んできた人々の生活が、一連の地震によって山もろとも壊れていく・・・、このようなことを誰が想像できただろうか。

不幸にも車に乗ったまま、土砂に巻き込まれた一家の、とりわけ雄太ちゃんの救出は、2時災害への危険からテレビで見ていてもハラハラドキドキ、緊急支援の消防隊員に抱きかかえられ助け出されたときは思わず「よかった」と歓声を上げた。92時間もの間、土砂の中で一人生き続け、助け出された2歳の子供。昔、「汚れなき悪戯」という映画があって、幼い男の子が「十字架のキリスト」と話をしているシーンがあった。暗闇の中できっと雄太ちゃんも神様とおしゃべりをしていたのだろう。「2歳で死ぬのはイヤ」と言ったのかもしれない。神様の贈り物のような命の生還、奇蹟だった。


同じ時期にイラクで、日本人の青年がアルカイダ系のテロリストに誘拐されて殺された。「自分探しの旅」の途中、イラクの戦場の様子を見たい、ということで入国した、という。気の毒だが、戦場といえば現地の無垢な人々が大勢、犠牲になっている無法地帯、日々死ぬか、生きるかの戦いを続けている人々の生活を「見に行く」という発想そのものが傲慢であり、甘えているというしかない。

自分自身の命が危険にさらされる、という危機意識のない若者にとっては血みどろの舞台に自分が引っ張り込まれるとは想像できなかったのかもしれない。観衆でいられるならば、血が流れる現実世界は、ゲーム以上に刺激的で興味深いのだろう。奇蹟は起きず、誰もが想像したとおりの結果になった。


防犯では学童を守る為のセキュリティ機器が各社から売り出されているが、某警備会社が、講師を学校に派遣して子供たちへのセキュリティ授業を始めた。どんなに機器やシステムで守っても、子供たちが無防備でセキュリティ意識がなければ、犯罪を防ぎようがない。まさにセキュリティの啓蒙教育こそ、今、日本人が必要としているもの。子供たちが留守番をしている時の電話の受け答えや下校時の見知らぬ人との対応を、具体的に勉強しているビデオを見て、実際に練習し、やってみなければ、親や教師の注意だけでは足りない、と実感した。子供の授業以外にも、いろいろな授業を始めて欲しいですね。海外に出かける若い女性や若者対象、電車で大声で話す中年女性へのマナー教室、中高年の男性には、高齢になって妻に捨てられない日頃の心遣い等。もし私が受けたい授業を言わせてもらえば、若い社員に突き上げられない手法、高齢のご夫婦、特にその奥方に警戒されない手法など等。

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